Nire - ( ニレ )
Romaji
心の奥に住む 名も無きそれに
私はニレと そう 名付けた
ニレと私は 違った
そう思いたかっただけかもしれない
平気で誰かを傷つけて
平気で誰かを愛する
嬉しい感情 飲み込んだ言葉
目にした現状 手にした毒
笑うのも 怒りも 悔しさも
いつでも必ず一緒だった
長い月日を重ねて
大人を象っていく度
いつの間にか 煩わしく感じていた
少しずつ離れてった
いつしかニレは 現れなくなっていった
一度だけ現れた夜「どうして?」と責め立てた
小さく嘆く
「だって私のこと、嫌いでしょう」
どれだけ流したのか 涙の跡に
私は気付かないフリをしていた
何も知らない
何も聴かない
扉を閉じ続けた
信じることが怖くなった
ちっぽけなそれが大きくなってゆく
目の前の答えだけで腹を満たした
わたしは、わたしだと
願い続けて
しがみついてるのは私の方だった
心の奥に住む
名も無きそれは